8.諦めなければ夢は叶う ー1kmを走ることができなかった私がフルマラソンに挑戦ー
1)体育が大嫌いだった私が、フルマラソンを完走
運動神経がない私は体育の時間が大きらい。高校での3キロのマラソン大会では、最後尾を自転車でついてくる先生に「無理しなくていいよ」って言われながら走ったり歩いたりしていました。
運動が大嫌いで、20年以上も運動をしていなかった私。30歳から45歳まで1kgずつ増加…。15kg太りこのままでは生活習慣病になる可能性が大きい。そのため、続かないだろうと思いながらも、45歳の時にフィットネスクラブに通い始めました。最初に出会ったインストラクターAさんのおかげで楽しくエアロビクスを続けることができ、Aさんに背中を押されて49歳で10キロマラソン大会に初場。50歳でフルマラソンを完走することができました。
2)続かないと思いながら運動を開始
健康のためとはいえ、フィットネスクラブは「3ヶ月続かないだろうな」と思いました。初めて参加したエアロビクスのインストラクターがAさんでした。最初のレッスンでAさんは、みんながキックで跳んだり跳ねたりしているときに、私の前に来て「跳ばなくていいです」と、踵タッチを教えてくださいました。その次に参加したときも、キックのときは前から私の方を見て踵タッチをしてくださるので、「跳ばなくていいんだ」と思いながら跳ぶのを止めました。その後も、落ちこぼれの私にいつも声をかけてくださったので楽しく続けることができました。
そして、食事内容を変えていなくても体重が1ヶ月に1㎞落ち、1年で12kg体重が減少。効果を数字で実感できるというのはモチベーションの維持に有効ですね。
3)グループレッスンの中での個別指導
私には「飛ばなくても良いですよ」おっしゃってくださったAさんは、他のお客さんには「足挙げて」と声をかけながらスタジオを回られます。私には関係ないなと思っていたら、ある日、「腕を大きく動かして」とアドバイスされました。その後、横や前に移動する動作のときに、大きく移動するようにと言われ、いつしか「足挙げて」とアドバイスをされるようになりました。それにしてもグループレッスンの中で、その人に合わせたアドバイスをするのはすごいですね。
4)走ることを初めて
フィットネスクラブに行き始めた頃は体力がなく、45分間の初心者のエアロビクスも大変でした。ようやくハイインパクトのエアロビクスを1時間楽しめるようになった頃、自分の体力への好奇心から夜遅くにこっそりと自宅の周りを1キロ走ってみました。高校時代とは違い1キロを走っても平気だったことに驚きました。
5)ゆっくりでいいんだ。歩いても良いんだと
インターネットで有酸素運動の心拍数に関する情報を見つけました。トレッドミルで有酸素の心拍数で走ってみたときには、こんなにゆっくりで良いんだと思いました。また、「途中で歩いてもいい」「歩いたら次はもっとゆっくりのスピードで走り始める」という情報も見つけました。それを実践するようになってからは、走ることが辛くなくなりました。そして、ゆっくりと気持ちよく走り、走ることができる距離を伸ばすことを楽しみました。ジョギングよりもウォーキングに近いスピードだけど、1年ぐらいで新潟島を1周(15キロ)するという目標を達成しました。
6)信頼できるパーソナルトレーナーからの支え
このまま距離を伸ばしたら膝を痛めると思い、Aさんのパーソナルトレーニングを受けることにしました。Aさんは国際マラソンに参加されるような市民ランナーです。そのため、走るために必要な筋肉のトレーニングや体幹トレーニングの他に、スタジオが空いているときにはランニングのフォームも教えて頂きました。最初は自重で数回スクワットをしただけでも、筋肉痛になるような筋力しかありませんでした。
7)小さな目標達成を一緒に喜んでくださる人の存在
完走できないかもしれないと思って参加したハーフマラソンの大会。ゴールの会場に戻って最後のグラウンド1周。「まだあんなに」と思ったとたんスピードダウン。そのとき、応援に来てくださっていたAさんが、グラウンドの内側を一緒に走って下さっていることに気がつきました。ゴールの瞬間よりもうれしくて、もう一度頑張れました。
それからも1つ1つの小さな目標の達成を、いつも一緒に喜んでくださいました。
8)初めてのマラソン大会「諦めなければ夢は叶う」
学生時代は走ることが“苦痛”だった私がジョギングを始め、Aさんに背中を押されて10キロの大会に出場し大会の楽しさを知りました。10㎞の大会が終わってすぐにAさんからフルマラソンを勧められました。そのときは、「何を言うんだろう」と思いました。でも、Aさんのおかげで私の世界では考えもしなかったこと「フルマラソン」を目標とし、Aさんに支えられながら1年後に目標を達成することができました。
初フルは大阪の大会。完走する自信がなかったので誰にも伝えず一人で参加しました。フルを目指していることを知っているのはAさんだけでした。
フルマラソンに備えてハーフ大会の経験を積み、35㎞走をAさんと一緒にしました。そして、大会に出発前にAさんに「歩いてでもゴールを目指します。」というと、「歩いたら本当の“完走”じゃないけど良いの?」という暖かい言葉(??)。大会ではAさんと一緒に35キロを走れたことで自分を励まし、Aさんに「歩かなかった」と報告したくて、歩きたくなる自分自身と闘いながら最後まで走り通すことができました。
大会に旅立つ直前に「諦めなければ夢は叶う」という言葉に出会いました。30㎞からは何度もその言葉を自分に言い聞かせていました。歩みを止めなければ、一歩ずつゴールに近づくと…。
歩かないでゴールしたことをすぐにAさんにメールですぐに報告。一緒に喜んでくださいました。
ひとりのインストラクターとの出会いにより、自分とは別な世界と思っていたフルマラソンを完走し、毎年フルマラソンに参加しています。
信頼関係とは「無理かなと自分では感じることも、この人が言うのだからできるかもしれない」と思えることだと思います。そして、いつも寄り添ってくださるという安心感。わたしも教員として、ソーシャルワーカーとしてそのような関係を結べるように目指したいと思います。